2023.3月号vol.96

見守るという診療

当院は、皆様が健康であることで生活の質が向上し、人生がより豊かになる歯科医療を届けていくことを目指し「笑顔になれる歯科医院」というコンセプトを掲げています。

むし歯などの歯科治療では、「歯を削る」「神経を取る」「歯を抜く」などの対症療法が一般的です。

また、多くの歯科治療は、歯の機能を取り戻すための『修復』であり、全ての治療が大切な歯を守ることに繋がるとは言えません。

当院では、歯を削り、抜くことよりも、歯を守るということを最優先に患者様と向き合うことが大切と考え「治療ではなく、見守る」というご提案をする場合もあります。

治療する歯とその前後の歯の状態や患者様のお考えも確認しながら、安易な対症療法ではなく、定期検診などで「症状や状態を見守る」という選択をすることで、経過を見ながら出来る限り歯を削ったりせずに守り続けます。

一度削ってしまった歯は元に戻すことは出来ないため、その一本の歯を守るための最善を目指す歯科医療をお届けします。

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2023.3月号vol.96

むし歯細菌が好む隙間

むし歯などの治療のため多くの方が通院されていますが、どのような歯の状態がむし歯リスクを高くしてしまうのかご存知でしょうか?

むし歯の正体は細菌であるため、細菌が繁殖しやすい「隙間」に注意が必要です。

今回は、あまり知られていないむし歯ができやすい2つの歯の隙間をお伝えします。

また、本来歯ぐきに覆われている部分は、硬いエナメル質がないため、歯周病などで歯ぐきが下がることもむし歯リスクを上げてしまいます。

2023.3月号vol.96

雛祭りには、どうして雛人形?

3月の代表的な行事といえば、「雛祭り」ですね。

ご自宅に雛人形を飾るという方もいるかと思いますが、なぜ雛人形を飾るのかご存知でしょうか?

日本では古来より、「形代(かたしろ)」と呼ばれる紙やワラ、木、土などで作られた人形に自分の体をこすりつけ、厄を移して川や海へ流す厄払いが行われていました。

平安時代になり、貴族階級の子ども達の間では、現代のおままごとのような遊びで紙の人形を使った「ひいな遊び」が流行しました。

この「ひいな遊び」と厄払いの「形代」が結びつき、人の身代わりに厄から守ってくれるという男女ペアの紙の人形が誕生し、貴族の間で飾られるようになったそうです。

中国では、3月3日を「上巴(じょうし)の節句」とし、季節が変わるこの時期に邪気を祓う行事があり、遣唐使によって伝えらたこの行事と、貴族の間で飾られるようになった人形が「ひな祭り」という行事になったと言われています。

2023.2月号vol.95

お口の健康を守るためのメンテナンス

皆さんは、「お口のメンテナンス」という言葉を聞いたことはありますか?

メンテナンスを日本語にすると「維持」「持続」「保全」などの意味になり、歯科では、治療ではなく予防という観点からメンテナンスという言葉を使用することがあります。

悪くなったら治す「治療」ではなく、悪くならないための「予防」がお口の健康を守るためには最も大切なことです。

お口のメンテナンスの取り組みには、セルフケアとプロケアの2つがあります。

セルフケアは、ご自宅でする歯磨きなどで、お口の健康を守るための基本となります。

プロケアは、歯科医院で行うもので、メンテナンスの知識と技術を持ったスタッフが、専用の器材を使ってセルフケアでは取り除くことができないお口の細菌や汚れを除去します。

多くの場合、むし歯や歯周病の原因となるのは細菌です。

この細菌を増やさないためのメンテナンスが、お口の健康を持続することに繋がります。

お口の問題と言えば、むし歯や歯周病を思い浮かべる方も多いと思います。

しかし、お口の問題には、噛み合わせが悪い、入れ歯が合わない、親知らずが痛いなど、様々なものがあります。

そして、これらの問題の多くは突発的に起こるのではなく、必ず前兆があり、その前兆に気づくことができず、大きな問題になったときに初めて自覚症状として現れます。

もし、定期的にお口のメンテナンスを受診していれば、問題の原因となる小さな変化に気づくことができ、最小限の処置で問題を未然に解決することができるケースも多くあります。

以前の月形通信でもお伝えした歯の破折は、治療ができず抜歯になってしまうことが多いですが、定期的にメンテナンスを受診されていれば、早い段階で原因を見つけ、破折リスクを下げるための方法をご提案することができます。

日本では、まだ定期メンテナンスは一般的ではありませんが、生涯できるだけ多くの自分自身の歯で生活するためにも大切なお口のメンテナンスです。

2023.2月号vol.95

バレンタインデーの起源

2月14日は、バレンタインデーです。

最近では、職場の同僚への義理チョコだけでなく、友達同士での交換や、自分へのご褒美として購入される方も多いようです。

日本でバレンタインデーが始まったきっかけは、チョコレートを販売するために、新聞広告を出した説、チョコレートを贈ることを流行らせた説など諸説あります。

日本だけでなく、世界中に広がっているバレンタインデーは、どのようにして誕生したのでしょう?

バレンタインは、キリスト教のバレンタイン司祭の名前が由来になっているようです。

はるか昔、3世紀頃のローマでは、戦場で国のために命を捧げることの妨げになるという考えから、皇帝によって若者の結婚が認められていませんでした。

バレンタイン司祭は、皇帝には秘密にしながら若者を結婚させていましたが、皇帝にバレてしまい、ローマの豊穣祈願の「ルペルカリア祭」の生贄として、ルペルカリア祭前日の2月14日に処刑されてしまいました。

その後、人々はバレンタイン司祭を恋人の守護神として祀(まつ)ったことから、2月14日を「聖バレンタインデー」と呼ぶようになったそうです。